ピーターラビットのおはなし

 イギリスで最初に出版されたのが1902年という、古典的ということばがぴったりの絵本です。翻訳されてからでも27年経っていますから、お母さんが独身のころ買ったのだという本で読み聞かせている家庭も少なくないはずです。
 でも、それだけに本棚にしまいっぱなしにしている人もいるのではないでしょうか。何となく「私は好きだったけど、今の子にはどうかしら……」と思い込んで。さあ、そんなお母さんもぜひピーターを復活させてみてください。こんなに元気なおもしろいお話だったかしらと再認識することでしょう。
 ピーターは、いけませんと強く言われているのに、よその畑で盗み食いをして、お百姓さんに追い回されます。その場面たるや、なかなかハンパじゃありません。なにせ捕まったら最後、肉のパイにされてしまうのですから……。 このリアルさが子どもにウケルというわけです。
 ピーターには3人の姉妹があって、その内の1人は後にいたずら仲間のいとこと結婚して6人の子どもをもうけます。その子たちをめぐるドラマも読み応えがありますし、うさぎたち以外の登場人物(動物)たちもそれぞれそうとうにクセがあって忘れがたい存在です。10年前にシリーズ全ての絵が新版になって美しくなりました。旧版の少しぼやけた感じの絵がすっきりしない方は、一度見比べてみてください。

ビアトリクス・ポター 作絵 石井桃子 訳 福音館書店 8,500円  (1998年 ’平成10年’ 9月21日 6回 杉原由美子)

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