ぬまばばさまのさけづくり

 ぬまばばさまのお酒の主な材料は、「ゆうやけの紅、月明かり、ちちくさ、南風、小鳥のさえずり、柳の芽、きつねの鳴き声、なめくじの皮、やなぎそう、こけももの枝、はたねずみの鼻息。好みによってこがねむしの黄金、あおむしの青を加える」ということになります。作り方は絵本に詳しく載っていますので、ぜひご参照ください。
 ぬまばばさまは、真夏のうちにこのお酒を造って、ひと冬寝かせます。冬の間、沼の中で眠っていたぬまばばさまは、春一番に目を覚ましてお祝いの準備。夜には去年造って寝かせておいたお酒をみんなでたらふく飲みます。そうすると、ぬまこぞうにぬまむすめ、ぬまじじさまたちがあたり一面を春らんまんに変えてくれます。雪や氷は溶けて消え、枝には芽が出て若葉が開き、鳥やけものに赤ちゃんが誕生します。ぬまばばさまの造るお酒にはそういう力があるのです。
 我が家のぬまむすめたちも、読む度にどんどん材料を増やして酒造りを楽しんでいます。 大地の守り神ともいうべきぬまばばさまは、お節句のお餅やお酒を作ってくれる、うちのおばあちゃんに似ているといいます。
 北国に住む者にとっては、ことのほかうれしい春の訪れ。デンマークの絵本作家オルセンもよほど春の気配に敏感だったとみえて、そのウキウキしてくる気持ちをこの作品に表しました。だれでもふるさとの大好きな季節や風景があると思います。この絵本のように残しておけたら楽しいですよね。

イブ・スパング・オルセン 作・絵 きむらゆりこ 訳 福音館書店 900円
(1999年 ’平成11年’ 3月29日 16回 杉原由美子)

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