あんちゃんのたんぼ

 父親を亡くしているぼくたち兄弟は、水利の悪い山のたんぼを借りて米作りを始めた。お米がどっさり採れたら、あんちゃんは修学旅行に行けるから。でも、たんぼでの仕事は思ったよりうんときつくて、ぼくはさぼって遊んでばかり。あんちゃんは汗びっしょりになって黙々と働いているというのに。苦労のかいあって、稲はすくすく伸びて収穫間近。でも、台風が来て、大事な稲穂が水をかぶりそうになった。ぼくは水門の杭を抜いてあんちゃんのたんぼを助けようとしたけれど……。
 歯を食いしばって仕事に精を出すあんちゃん。弟や小さな生き物をかばうあんちゃんには、人間としての尊さを教えられます。それは、父親の姿とも思えます。また、社会のルールを示しながら、ちゃんと見守ってくれている大人たちも描かれています。
 絵本としては長編であり、内容も小学校高学年向きというところでしょうか。作者が富山に講演に見えた折、この本を求めて我が家のあんちゃんならぬ長女用にサインしていただきました。が、本人が味わって読んだのは、中学も終わりのころでした。
 やんちゃ坊主であったという梅田俊作氏は、子どもたちと同じ気持ちを共有できるお父さんでもあります。最近は学校でのいじめや不登校を見つめた作品を発表しています。「意気消沈している目の前の子どもに、どうすればいちばん勇気づけてやれるだろうか。どうやったら、この子は元気になってくれるだろうか・・・」そう思いながら描いているとのことです。

梅田俊作 作・絵 童心社 1,500円  (1999年 ’平成11年’ 5月24日 18回 杉原由美子)

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