てぶくろ

 雪の降りしきる森の中で、おじいさんがてぶくろを落としました。その中に動物たちが住み始めます。最初はねずみ、つぎにかえる、うさぎ、きつね……だんだん増えて、てぶくろはぎゅうぎゅう詰めになります。それなのになんと、くまがやってきて「わしもいれてくれ」というのです。さあ、どうしましょう。
 たわいのない、読み終わってみればあっけないような感じのお話なのですが、そこにあるだけで温かい気持ちになる絵本でもあります。
 まず表紙の色がいいのです。チーズケーキ色とでもいったらいいか……(表現力の貧しさをお笑いください)。ウクライナ民話に、その土地の人が絵を描いているのもいいのです。冬の森の寒さがたいへんリアルに描かれていますし、動物たちが着ているのは、どうやらその土地の民族衣装なのです。
 また、この絵本の一番の特長は、動物たちの会話にあります。例えば、「とんでもない、まんいんです」と答えながらも「ほんのはじっこにしてくださいよ」と結局は場所を空けてくれるあたり、動物たちの困った顔、うれしそうな顔など、目に浮かぶようです。
 まだまだ寒い季節、子どもとくっついて座って温まり合いながら、この絵本を楽しんでください。

ウクライナ民話 エウゲニー・M・ラチョフ 絵 うちだりさこ 訳 福音館書店 800円
(2000年 ’平成12年’ 1月17日 30回 杉原由美子)

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