にぐるまひいて

 実りの季節がやって来ました。我が家でも、おじいちゃんとお父さんが稲刈りをしてくれました。幸せなことに、7人家族のちょうど1年分のお米が取れます。サラリーマン家庭に育った私は、田んぼや畑から収穫したものを食べられることが、とても豊かなことに思えます。
 この絵本を初めて読んだときも、なんとも満ち足りた幸せな気持ちになりました。1世紀くらい前のアメリカが舞台です。
 農家の父親が、1年分の収穫物を手作りのにぐるまに載せて10日がかりで町へ売りに行きます。じゃがいも、りんご、はちみつ、ひつじのけ、がちょうのはね、かえでざとう、かあさんの織ったショールや娘が編んだ手袋も。市場では、にぐるまさえ売り払って身軽になって、なべや、ナイフや、キャンディなどを買って帰ります。帰ればすぐに、新しいにぐるまを作り始めるとうさんです。家族のみんなも、それぞれの仕事に精を出します。
 作者は、自然とともに暮らして、収穫を得て、明日の生活の糧にしていきたい、という、どんな人間も望んでいる、幸福の形を語ってくれます。絵のバーバラ・クーニーは、アメリカの希望と信念をたくさんの絵本に託して、惜しくも先日亡くなりました。

ドナルド・ホール 文 バーバラ・クーニー 絵 もきかずこ 訳 ほるぷ出版 1,400円
(2000年 ’平成12年’ 10月23日 40回 杉原由美子)

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