かいじゅうたちのいるところ

 かいじゅうたちのいるところ、といっても、ダイナソーやウルトラマンとは無関係です。このかいじゅうの見かけは、むしろ日本の「なまはげ」です。その不気味な姿に恐れをなして、手も触れたくない、という大人もいる絵本ですが、子どもの支持率は抜群です。
 わんぱく坊主のマックスは、家の中で大暴れ。キレたのはお母さん。マックスは「晩ごはんぬき」で、寝室に閉じ込められてしまいます。すると不思議や不思議、床から木が生えてきて、天井は夜空に変わり、ざぶりざぶりと波まで打ち寄せて来て、マックスは船に乗り込むと、どこか知らない国へと航海に出ます。そして、着いたのが、「かいじゅうたちのいるところ」。 マックスは、かいじゅうしかいないこの不思議な国の王様になって、思う存分暴れまくりますが、やがてやさしいだれかさんのことを思い出して……。
 子どもは、何かに夢中になるとかいじゅうのようにわき目もふらずに突進し、周りが見えなくなるようです。でも、お腹がすくと我に返るからご安心。センダックもそれをよく知っていたようです。
 ところで、ぎょろ目で出っ歯で「うぉーっ」とほえるかいじゅうのモデルというと、幼いころのモーリス・センダックを可愛がるあまり怯えさせていた親戚のオバサンたちなのだそうです。 それを知って以来私は、幼い人にはくれぐれも大げさな愛情表現をしないよう、気をつけています。

モーリス・センダック 作 じんぐうてるお 訳 冨山房 1,400円
  (2001年 ’平成13年’ 1月15日 43回 杉原由美子)

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