ねないこだれだ・もじゃもじゃ
これは、4冊セットの「いやだいやだの絵本」のうちの2冊です。折り紙くらいの大きさですから、子どもをひざに乗せて読んでやるのにもちょうどいいです。『ねないこだれだ』は、お察しの通り、なかなか寝付かない子を、ちょっぴり怖がらせて寝かせてしまおう、という意図の絵本。せなけいこさんのおばけ絵本の原点でもあります。『もじゃもじゃ』は、床屋さんが苦手な子に、きれいにしてもらおうねと誘いかける絵本です。
大人の都合はともかく、読んでやるとなにしろ喜ぶのです。また、言葉の調子がいいので、だれでもすぐ覚えられます。子どもがだだをこねたとき、とっさにこの絵本の語り口を利用して、会話の糸口をつないだというお母さんも多いのではないでしょうか。若いお母さんには必ずお勧めしています。
高校2年の長女が、生活一般(家庭科)の育児の授業のとき、これらの絵本が紹介されたと教えてくれました。今や、男女共習になっている育児の授業です。赤ちゃん誕生のビデオを観てから、絵本を読んでもらっている17歳たち、きっと良いお父さんお母さんになってくれることでしょう。
せなけいこ 作・絵 福音館書店 各600円
(2001年 ’平成13年’ 1月29日 44回 杉原由美子)