ダギーへの手紙

 医学博士のエリザベスさんのところに、脳腫瘍にかかって死期の近い少年から手紙が届きます。 手紙には、「いのちって、何? 死って何? どうして、小さな子どもたちが死ななければいけないの?」と書いてありました。多くの患者さんの最期を看取ってきたエリザベスさんにとっては、まさに究極の質問でした。わずか9歳のダギー少年に、何と答えたらよいのか、エリザベスさんは、娘さんの28色のフェルトペンを手に取って、書き始めました。
 私は、2年くらい前、初めてこの本を読みました。そのときは、おしまいまで読み通せないくらい、涙、涙、でした。今にして思えば、親としての無力感に悩んでいたころです。たとえば、「神さまは無条件に愛してくださる」というフレーズに会うと、日頃不信心なくせに、「ああ、うれしい、うちの子のことも神さまはきっと見守ってくださる」と思えたのです。癒し、とはこういうことかもしれません。
 日本語版を出すにあたって、はらだたけひでさんが絵を描きました。各ページに英文もそのまま載っています。原書を日本に持ち帰った新聞社の人の丁寧な解説文も、この本の大切な部分です。本との出会いは、人との出会いといいますが、ほんとうにその通りだと思います。

  E・キューブラー・ロス 文 アグネス・チャン 訳 はらだたけひで 絵 佼成出版社 1,200円
  (2001年 ’平成13年’ 3月19日 47回 杉原由美子)

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