さんまいのおふだ

 むかしむかし、越後の国の山寺に、和尚と小僧がいました。うらうら天気のいいある日、小僧は山へ花きりに出かけます。のんきに花を探しているうちに、とっぷりと日が暮れて、小僧は帰り道がわからなくなってしまいました。
 すると、行く手にぺかぺかと明かりが見えたので、一晩の宿を頼むことにしました。気のいいおばばに泊めてもらったと思っていたら、夜更けにふと目覚めた小僧が見たのは、なんと、おっかなげな「やまんば」でした。さあ、たいへん、小僧はとっさに「べんじょへいきたい」と言って、庭の便所までは逃げて来たのですが……。
 これは、ゆっくりした調子で読んであげてほしい絵本です。ほどよい加減で使われている方言の響きが気持ちよく、きっと、何度でも読みたくなるでしょう。
 小僧を助けてくれるのは、神さまなのですが、さて、なんの神さまでしょう。千尋が働いていた油屋さんにも来ていたようですよ。寺の小僧が神さまに助けられるのですから、この国の人間はほんとうに幸せです。

水沢謙一 再話 梶山俊夫 絵 福音館書店 800円  (2001年 ’平成13年’ 11月19日 54回 杉原由美子)

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