めっきらもっきら どおん どん

 呪文のようなタイトルです。その通り、これが不思議の世界へ入るきっかけになる大事なことばなのです。
 かんたがいつも遊んでいる神社へ行くと、なぜかその日に限ってだれも来ていません。たいくつしのぎに口から出まかせの歌を歌うと、なんと地面の底からそれに応じる者があります。木のうろを通って、かんたは不思議の世界に引っ張り込まれ、3人組の化け物たちの遊び相手をさせられます。見かけは無気味だけど無邪気で遊び上手な3人組に、かんたはすっかり取り込まれてしまうのですが、 一休みした時ふとお母さんが恋しくなって……。
 いいですよねえ、「お宮さん」という所は。どんな不思議なことが起きても不思議じゃない雰囲気があって、遊びに熱中できます。幸せなことに自分はそういう経験をしています。違う小学校の子とも出会っていっしょに遊びました。すぐ近所の子なのに、ことばの癖も違うし、遊び方も違う。化け物に会ったわけではないけど、今も忘れられない一種のカルチャーショックでした。
 今、小4の娘が「秘密基地を作ろう」と、友だちと場所を探しています。私は遠い昔の自分の遊び場を思い出します。あのころのお宮さんはそのままで秘密基地でした。それに引きかえ、娘の秘密基地作りは場所探しだけで終わりそうな気配で、なんとも残念なことです。

長谷川摂子 作 ふりやなな 絵 福音館書店 800円  (2002年 ’平成14年’ 6月10日 63回 杉原由美子)

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