じめんのうえとじめんのした

 私たち人間を含め、動物はみな、空気を体内に取り入れて生きています。植物も同じです。だから私たちは、なんとなく、動物も植物も太陽と水と空気があれば生きていけるかのように思っています。
 けれどもそれだけではおなかが空くので、私たちはご飯やパンを食べます。では、植物はおなかが空いたらどうするのでしょう。植物は、根っこから地面の下の栄養分を取り入れて、自分で自分のエネルギーを作ることができるのです。
 その植物を食べて、動物たちは生きています。すべての動物は、元はといえば、植物に栄養を作ってもらって生きているのです。一見、当たり前のようなことですが、この絵本を読んでこれを確認したとき、新鮮な感動を覚えました。
 この絵本は、どのページも1本の横線で区切ってあります。地面の上と地面の下を描き分けてあるのです。 色は、白・黒・オレンジ・緑だけを使っていて、単純明快な印象です。植物学者のウェバー女史が絵も自分で描きました。60年も前のことです。今では、科学絵本の根っことなって、新しく生まれる子どもの本の栄養になってくれています。

アーマ・E・ウェバー 作 藤枝澪子 訳 福音館書店 900円  (2002年 ’平成14年’ 9月2日 65回 杉原由美子)

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