ぶたぶたくんのおかいもの

 ある日、ぶたぶたくんは、おかあさんにおつかいを頼まれます。パン屋さんと八百屋さんへ行って、帰りにはお菓子やさんで好きなものを買ってもいいのです。ぶたぶたくんは、いさんで出かけます。
 そして、おつかいは無事果たせるし、途中で友だちのこぐまくんとかあこちゃんにも会えるし、キャラメルも買えたし、帰ってみると家の外でおかあさんがちゃんと待っててくれたし、大満足のぶたぶたくんでした。
 そう、べつだん変わったことは起こりません。が、読み終えたときのえもいわれぬ幸福感、これはいったいなんなのでしょう、と言いたくなる絵本です。
 実は、この絵本の紹介者としては、知人のHさんが最適です。3人のお子さんたちが「ぶたぶたくんごっこ」で近所をひと回りしてくると、小道具のはずのお買い物かごに、なにかしら近所の人の下さったおみやげが入っていたとか。
 我が家の3人はそこまではやりませんでしたが、愉快なセリフをやりとりしては笑い転げていました。彫刻家であると同時に、南洋諸島の人々と共に生活し、民族研究をした作者には、子どもたちに幸せをもたらすものの正体が見えていたような気がしてなりません。

土方久功 作 福音館書店 743円  (2003年 ’平成15年’ 10月20日 82回 杉原由美子)

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