だるまちゃんとかみなりちゃん

 だるまちゃんが外へ遊びに行こうとすると、雨がぱらぱら降ってきました。かさをさして出たら、「ぴかぴか ごろごろ がらがら どしん!」と、雷が落ちてきました。雷は雷でも、小さなかみなりちゃんです。かみなりちゃんは、 雲の上のかみなり公園のプールから地上へ落っこちてきたのでした。
 泣いているかみなりちゃんをなぐさめて、木の枝にひっかかったうきぶくろをとってあげようとしますが、これがなかなかうまくいきません。あの手この手を試しているところへ、かみなりちゃんのお父さんが「きんと雲」に乗って迎えに来てくれます。そして、親切にしてくれたお礼に、 だるまちゃんを雲の上のかみなり町に連れて行ってくれます。
 意外にも、このかみなり町というのが洗練された未来都市。「きんと雲」と思った乗り物は、中央コントロールタワーから供給される電力をエネルギーにして飛ぶ、電気自動車なのです。だるまちゃんは、かみなりちゃんたちと、安全で清潔なかみなり町の公園で、石けりしたり、かくれんぼしたりして遊びました。また、かみなりちゃんの家では、たいそうなごちそうをおよばれしました。子どもたちの一番好きなのがこのシーンであることは、言うまでもありません。
 もう一つ人気の場面は、最後のページ、だるまちゃんが家に帰っておみやげをひろげているところです。かみなりせんべいの箱を囲んで、だるまちゃんとおとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そして妹の6人が、みなにこにこしているのです。
 作者のかこさとしさんは、東大工学部を出た工学博士です。かみなり町のハイテクシーンは、科学者としてのかこさんの夢を表現しているのです。同時にかこさんの大切にしているものは、「日本人の生活」です。だるまちゃんのシリーズは全部で7作ありますが、どの作品にも温かい家庭、なごやかな友人関係が必ず描かれています。人気の秘密はきっとここにあるのでしょう。

加古里子 作 福音館書店 780円  (2006年 ’平成18年’ 7月19日 113回 杉原由美子)

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