しんせつなともだち

 すっかり寒くなりました。この季節におすすめの本です。
 雪が降り始めて野山は白一色になりました。食べ物を探しに出たうさぎは、幸いにして大きなかぶを2個拾います。1個を食べて、残りの1個はともだちのろばに届けることにしました。「ろばさんも、きっと食べ物がなくて困っているでしょう」と思ったのです。
 ろばの家に行ってみると留守だったので、かぶを家に置いて帰りました。そのころ、ろばも食べ物を探しに出かけていたのです。ろばは、幸いにして大きなさつまいもを見つけました。喜んで家に帰ってみると、かぶが置いてあったのでびっくり。「このかぶはどこからきたのでしょう。わたしにはさつまいもがあるから、このかぶはやぎさんにあげましょう」
 ところが、やぎも食べ物を調達に外出中でした。白菜を見つけて帰ってきたやぎは、このかぶを鹿のところへ届けることにします。 鹿も自力で食べ物を見つけていたので、このかぶは、鹿のともだちのうさぎのところに帰っていったのでした。
 善意の良循環がほのぼのと描かれ、幸せな気持ちになれます。全ページが雪景色なのに、暖かい絵本という印象が残るのは、登場する動物たちやその住みかにふんだんに使われた暖色系の色彩のためでしょう。作り手の心づかいがしのばれます。
 「寒さには慣れている、準備万端さ」のつもりで、何かしら足りないものに気づかされる季節の始まりです。うちの場合、大根や白菜の収穫は順調ですが、去年よりひとまわり大きくなった子の防寒着が、ない。姉たちのお古では間に合わなくなり、いよいよ新調することになりました。「お母さん、これ着たら?」娘たちが着古した衣類は、今や母親のところが集積地。そこが行き止まりになったようです。

ファン・イーチュン 作 村山知義 画 君島久子 訳 福音館書店 840円
(2011年 ’平成23年’ 11月23日 172回 杉原由美子)

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