世界のともだち 韓国
子どものための新しい写真集の登場です。世界各地から36カ国を選び、その国の10歳くらいの子どもの生活を密着取材。家庭、学校、地域での暮らしぶりをいきいきと伝えています。今のところ、ルーマニア、韓国、ブラジル、フィンランド、モンゴル、 アメリカ合衆国が刊行されています。
各巻それぞれを専任のフォトジャーナリストが作りました。彼らの仕事は、まず、友だちになってくれる子どもに出会うこと。 会えたら、その子の家族全員を紹介してもらい、家の中の写真もたくさん撮らせてもらいます。学校の先生や友だち、 近所の人たちにも参加してもらい、お祭などの年中行事を共に過ごします。そうすることで、 文化の違いを目の当たりにすることができるからです。
シリーズ中の2巻目が、この「韓国」です。
この巻を担当した裵昭(ペソ)さんは、ソウル市に住むチェ・ピョンジュンくんと友だちになりました。ピョンジュンくんは、 韓国と日本が共同開催したサッカーワールドカップの年に生まれ、ワールドカップスタジアムの近くに住んでいます。だから、地元チームの試合がある時は、お父さんといっしょに応援に駆けつけます。
韓国は、一見、日本とよく似た日常生活に思えるので、ちょっとした違いの発見が面白いです。例えば、 お正月は旧正月にお祝いをします。親戚一同が集まりますが、男性チームと女性子どもチームの食卓は別々になります。 学校で給食を食べるのは日本と同じですが、韓国ではごはんとおかずのほかに、キムチが必ず出ます。 家にはキムチ専用の冷蔵庫があって、1年中おいしくいただきます。
ピョンジュンくんは、サッカー教室に入っている活発な少年ですが、なんと、ピアノも習っているし、囲碁も習っています。週1回訪れる家庭教師からは、コンピュータプログラムで動くロボット作りを教わります。複数の習い事をしている子は、 韓国では珍しくないのです。なかなか密度の濃い子ども時代です。
行ってみたいな、会ってみたいな、いっしょに遊べるかな……友だちになれそうな子がきっと見つかる、期待のシリーズです。
裵昭 写真・文 偕成社 1,890円 (2014年 ’平成26年’ 2月19日 196回 杉原由美子)