デザインあ

 この本には、いろいろに加工された「あ」が登場します。でも、「あ」だけでできているわけではありません。「あ」が、ことばの学びの出発点だとしたら、 身の回りのモノすべてに出発点があるのでは、と考えて、こういう本ができました。「おやつに食べようと思っていたこのおまんじゅう、いったい何でできている?分解してみよう」とかね。
 物語本ではないので、どこから開いてみても構いません。文字も最小限にしてあるので、ぱらぱらめくってもいいのです。「え、今の何?」という場面に出くわしたら、 そのときはちょっと手を止めて推理してみてください。作り手は、「くらべてみる」とか「大きくしてみる」とか「思ってたんとちがう」とか、さまざまな問いかけをして、 読者をびっくりさせてくれます。
 デザインという、一見単純な素材にもかかわらず、次のページで意外な展開に持ち込まれ、「なぜ、どうして」と、たくさんの言葉で説明したくなります。 デザイナーさんの策略にみごとに引っ掛かった、恐れ入りました、の瞬間です。副題に「四次元まちがい探し」とでもつけたいような、新しい頭の体操の本です。
 本書の元データは、NHKのEテレで放映されている同タイトルの番組です。テレビの画面ならば、動きもあるし、音響効果もつけてあるでしょう。 こうやって紙に印刷されてしまうと、当然のことながら、画面は動かないし、何も聞こえてきません。それでも、じっくり考える時間がある分、より楽しめるのではないかと思います。
 刊行に合わせて、国内ではトップを切って、今月21日から、富山県美術館(富山市木場町)で「デザインあ」展が開催されます。デザインするって何だろう、 リアルタイムでデザイナーさんの仕事を実体験できる、絶好のチャンスです。春休みに、ご家族でお出かけになってはいかがでしょう。

NHK「デザインあ」制作チーム 編 金の星社店 2,376円  (2018年 ’平成30年’ 3月21日 243回 杉原由美子)

毎日新聞/Web   プー横丁/TOP

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