よくみて よくみて にたものランド

 今回は、子どもたちが大好きなモノさがし絵本です。モノさがし、と言えば、一世風靡といっていいほどの人気があった『ウォーリーをさがせ』を思い出される方も多いでしょう。 ウォーリーはイラストでした。この『にたものランド』は、写真絵本です。
 表紙の港から始まって、駅、機関車、街並み、雑貨屋、公園、遊園地、ホテル、パーラー、サーカスなどの場面が、さまざまな日用雑貨やお菓子を散りばめて構成されています。パーラーのチェアの背もたれはプレッツェル、テーブルは紅茶の缶の蓋。つややかな床は何かと見れば、あら懐かしいLPレコードが敷いてあります。ホテルのロビーでくつろぐご婦人、そのソファはスウェードの手袋だし、しゃれたスーツケースは石鹸に小さな取っ手をつけたもの。丸テーブルのテーブルクロスと見えたのは、カップケーキの敷き紙を伏せてあるのでした。ビルの壁がクラッカーでできているのには驚きませんが、ドーム型の天井に蒸し器を利用しているのは、女性アーティストならでは。
 子どものころ、お人形の家具や小物を手作りしたあのワクワク感がよみがえります。ちょっとレトロな人形たちのポーズと表情も、画面を明るく引立てています。全部で1000点以上の品物がある中、すべての場面に登場する小物が2種類だけあるそうで、ついつい探したくなります。
 クリスマス編が出ましたが、残念ながら未訳です。

ジョーン・スタイナー 作 まえざわあきえ 訳 徳間書店 1,700円  (2004年 ’平成16年’ 3月1日 86回 杉原由美子)

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