あかべこのおはなし
昨年の7月、私はJR新潟駅からSL「ばんえつ物語号」に乗って、磐越西線の終点、会津若松駅(福島県)まで行ってきました。5月の連休中に、新潟駅でSLの蒸気が噴出するのを目撃したのがきっかけでした。新幹線のホームを備えている新潟駅にSLも乗り入れているとはつゆ知らず、何事が起きたかとびっくり仰天、勢いで切符を申し込んでいたのです。
そして、会津若松で出迎えてくれたのが「あかべこ」くんでした。あかべこは、会津地方の民芸品です。つやのある赤色と、ゆらゆら動く首が特徴の張り子の牛です。表情といい、体つきといい、「元祖ゆるキャラ」と言わねばなりません。ところが、この牛さんの故郷の会津はゆるくないのです。 明治政府軍に追い詰められて自害して果てた白虎隊終えんの地であり、板垣退助も力では落とせなかったという名城、鶴ヶ城の偉容にはただただ圧倒されました。
そんな会津生まれのあかべこくんが目差したのは磐梯山。紅葉で赤く染まったお山にあこがれて、ぜひとも登ってみたいと思ったのです。 ネコに背負ってもらったり、カラスにくわえてもらったり、少しずつ少しずつ、お山に近づいていくあかべこくん。その強い意志が奇跡をよんで、いつしか自分の足で「ほっくほっく」登っているのでした。「ほっくほっく」のどかに歩み続けたあかべこくんは、とうとうお山の頂上に立ちます。しあわせなあかべこくんでした。版画の手法で描かれた絵も柔らかく暖かく、心地よいのです。
この絵本は20年ぶりの復刊です。版元には、福島県を含め、震災地の復興支援の一助になればという意図があります。 震災はつらいことでしたが、新しい出会いもたくさんもたらしています。東北地方を訪れたり、民芸品を購入したり、ほっくほっく、復興のお手伝いを続けて行きましょう。
わだ よしおみ 文 わかやまけん 絵 こぐま社 2,100円 (2013年 ’平成25年’ 2月20日 185回 杉原由美子)
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