2023年
ちいさな木

 道ばたに木が一本生えていました。ちいさな木でした。クルマが通り過ぎると、よろけてしまうほどちいさい、弱々しい木でした。 ある朝、町のほうから一匹の犬がスタンスタンと走ってきて、木に話しかけました。「ぼく、ゴッチ。つなを […]

続きを読む
2023年
旅するわたしたち

 前回の『戦争が町にやってくる』と同じ、ウクライナ在住のロマナさんとアンドリーさんご夫婦の作品です。副題に「On the Move」とあって、「移動する」もしくは「移動させられる」わたしたちを描いています。 生まれ落ちた […]

続きを読む
2023年
戦争が町にやってくる

 ロンド、と名付けられた美しい町で、ダーンカ、ファビヤン、ジールカの仲良し3人組は、楽しく暮らしていました。草花の好きなダーンカのお気に入りは、町の広場にある大きな温室です。愛用の自転車に植物図鑑も常備して、毎朝通います […]

続きを読む
2023年
おばあちゃんのにわ

 昔、ニワトリ小屋だったという建物に少々手を加えて住んでいたおばあちゃんの庭は、庭というより畑です。そこでは、トマト、キュウリ、ニンジン、リンゴ、ジャガイモ、ニンニク。そして、ビーツも採れます。自慢じゃないけれど、今の季 […]

続きを読む
2023年
あるひあるとき

 作者のあまんきみこさんは、もうすっかりおばあさんです。日本が戦争していた時のことをお話に書いて本にして、教科書にも採用され、有名な文学賞をいくつももらい、勲章だってもらいました。でも、きみこさんの戦争は終わっていません […]

続きを読む
2023年
黒部の谷の小さな山小屋

 タイトルにある「小さな山小屋」とは、富山県の阿曽原(あぞはら)温泉小屋(標高860㍍)、黒部川上流、田渕俊夫画伯が描いた秘境「十字峡」のやや近くに位置する季節限定の宿泊施設のことです。初夏に組み立てられ、7月以降から営 […]

続きを読む
2023年
タヌキのキヌコ

 表紙は、タヌキのキヌコが人間に化けた瞬間をとらえています。愛嬌たっぷりでしょう?これから生まれて初めて人間界へ遊びに出かけます。 山を下りる途中、いつもからかってくるカラスにあいました。でも、キヌコが上手に人間に化けて […]

続きを読む
2023年
とってもすてきなおうちです

 冬の間、見かけなかった生き物たちが活動を始める春の庭先は、どこもかしこもすてきなおうちでいっぱいです。 「おや、よくいらっしゃいましたね。じまんのわがやへようこそ。」 表紙をめくると、さっそく歓迎のあいさつ。迎えてくれ […]

続きを読む
2023年
おばけのこ

 鬱蒼とした森の近くの一軒家に、女性を一人降ろして車が走り去っていきます。女性は大きなトランクを家の中に運び入れ、戸棚に衣類をしまいます。そこで暮らすようです。夜になってベッドに横たわると、森のほうから怒っているような恨 […]

続きを読む
2023年
とんで やすんで かんがえて

 注目されていたH3ロケットは飛びませんでした。残念ではありますが、自分自身を傷つけまいと今回は発進を見送ったと思えば、なんと賢いロケット、ということになります。 今回の絵本に出てくる鳥さんもそうなのです。まだ小さい鳥さ […]

続きを読む